結論(テーマへの答え)→説明(理由)→今後(抱負)
結論説明型の構成はこうなる。
まずはテーマに対する自分の答え・考え(結論)を述べ、その理由を説明する。そしてそれらを踏まえた上で、今後どうしていきたいか、どうすべきなのかを述べてまとめる。
では、例を見ていこう。
(例)私の短所
結論:私の短所はせっかちなところである。
説明:何かやらなければいけないことがあると、深く考えず行動に移してしまう。そのため早とちりをして失敗することや周りの人と歩調が合わないことがある。
今後:忘れていることや見落としていることはないか、周りの人はどのように考えているのかを確認してから行動するように意識していきたい。
結論→説明→今後という流れに沿って、内容を当てはめていく。志望理由書や面接の受け答えなどもこの構成だ。小論文の場合は、この構成の骨組みに具体的な話を入れ肉付けしていく。この短所の例でいえば、実際にどのような失敗したのか具体的な話を盛り込んでいく。最後「よって、私の短所はせっかちなところである。」と再び結論を書くように教えている人もいるが、それよりも今後の抱負を述べたほうがよい。
次は「礼儀の必要性」というテーマで構成を考えてみよう。
「礼儀の必要性は~だ」という書き出しだとしっくりこないので、「礼儀は~ために必要なものだ」と書き方を変えた。
結論:礼儀は周りから信用されるために必要なものだ。
説明:高校2年のとき私は剣道の試合でガッツボーズをし、顧問から叱責された。当時は納得できなかったが、振り返ってみると礼儀を守らず、相手への敬意も示さず、ただ勝つことだけに執着した私に、苦言を呈したかった気持ちもわかる。これでは勝者であっても、人として尊敬も信用もされない。
抱負:剣道で学んだ礼儀を忘れず、節度を持って、周りから信用される大人になりたい。
具体的なエピソードで膨らませる
上記の構成をもとに内容を膨らませていくのだが、その際大切なことはエピソード(体験談・具体例)を入れることだ。このエピソード選びがカギを握るといっても過言ではない。できるだけ長く詳しく説得力のある話を選ぼう。上の例では、小学生のときからやってきた剣道の体験談を伸ばし、礼儀の必要性を説いていく。
礼儀が必要なのは、社会において欠かすことのできないものだからだ。礼儀を重んじない人は信用されない。私は剣道を通してそのことを学んできた。
私は小学3年生のときに剣道を始めたが、「剣道は礼に始まり礼に終わる」といわれるように、師範から礼儀をはじめに教えられた。しかし、小学、中学、高校と剣道を続けていくなかでその意識は薄れ、礼儀はいつしか形式的なものになっていった。
考え直すきっかけとなったのは高校2年のときの新人戦でのことだ。私は県大会準決勝で強豪選手との試合に勝ち、思わずガッツボーズをした。試合後も喜びのあまり礼を適当に済まして笑顔で顧問のもとにいったが、顧問は厳しい表情で、ガッツポーズと試合後の礼について私を𠮟責した。そのときには納得できない気持ちもあったが、時間が経つにつれ顧問の言葉を素直に受け止められるようになった。剣道は乱暴にいえば竹刀で相手を叩く競技である。対戦相手への敬意を払い、剣道の礼儀作法である礼式や所作を守らなくてはただの無法者の叩き合いになってしまう。勝ったことでその点をおざなりにした私に顧問が釘を刺したのも当然だ。このような態度では勝者であっても尊敬されることはないし、他人に指導する資格もない。
社会でも同じである。自分さえよければと自らの利益のためだけに行動しても周りから尊敬されることはない。礼儀を重んじ、他人の言い分や行動を敬い、節度を持って行動することで、人間関係も潤滑にいき、周りの信用を得ることができる。敬意も自然と集まってくることだろう。
剣道に関しても実生活に関しても、他人への敬意や自制心など私にはまだ至らない点が多い。まずは礼義作法や礼儀を重んじる心をいかなるときも忘れずに、節度を持って周りから信用される大人になるように努めていきたい。
剣道の精神、剣道の試合で礼儀について思い直すようになったきっかけ、なぜ礼儀は必要だと考えるか、今後礼儀に関して自分はどうしていきたいか、このような内容を入れて既定の長さの小論文に仕上げていく。上記の文でいえば、色の変わっている4段落目は丸々削っても文章は繋がる。いうなればどうしても必要な文ではないということだが、指定字数に合わせて書くにはこうした文も必要だ。できれば同じ内容でも長短書き分けられるように練習しておきたい。
はじめにテーマの答えをズバッと書く。そして詳しく書けるエピソードを入れて、その理由を説明する。最後は今後どうするべきか、どうしたいのかを述べて文章を締める。結論説明型はこのように書く。