小論文を書く上でいくつかきまりごとがある。小論文や志望理由書など横書きのケースも多いのでしっかりと覚えておこう。
敬体・常体
「~です。~ます」=です・ます調、ですます体と呼ばれるのが敬体
「~だ。~である」=だ・である調(体)を常体と呼ぶ
小論文の試験は常体で書くのが一般的であるが、志望理由書・自己推薦書などの提出書類は敬体で書く人のほうが多い。敬体・常体は混ぜずにどちらかに統一しよう。
字数・段落数
指定字数は大学や問題によって様々である。小論文は200字~1000字、志望理由書だと2000字という学校もある。採点者がパッと見たとき、用紙に空白が多いとそれだけでマイナスの印象を与えてしまう。8割に満たない答案だと採点されない可能性すらある。指定字数の9割、できれば用紙の最終行まで書きたい。字数オーバーも減点対象なので指定字数は超えないように気をつけよう。
段落数は多すぎても少なすぎてもよくない。
目安としては400字2~4段落、600字3~5段落、800字4~6段落、1000字5~7段落
理想は400字:3段落、600字4段落、800字5段落、1000字6段落
段落は読みやすさというのもあるが、構成を考える上でも重要である。また、改行しておかないと間違いに気づいたときに全部消さなければならなくなってしまう。そうならないためにもきちんと改行し、段落分けを行おう。
1文の長さにきまりはないが、読点が4つも5つもあるような長文になると、キレが悪く何を述べているのかわかりづらくなるので、長くても40~50字をめどにしよう。3行以上(60字以上)になる場合は文を切ったほうがよい。
原稿用紙の使い方
数字は縦書きのときは漢数字を使う。漢数字は基本的に一、二十、三百、四万五千円というように書くが、西暦や桁が大きいときには二〇一七年というような書き方をする。
横書きは基本的にアラビア(算用)数字を使う。アラビア数字は1マスに2字入れる。3文字や5文字になるときは尻合わせにする。678だと、6で1マス使い、78を1マスに入れる。
ただし横書きの場合でも熟語や漢字のほうがふさわしい表現の場合は漢数字を使う。1つ2つ一個二個などは漢数字、アラビア数字どららでも構わないが、混用せずどちらかに統一すること。
英語は、横書きの場合は「Twitter」というように書くが、その際大文字は1マス1字、小文字は1マスに2字入れる。縦書きの場合「LINE」のように大文字だけで済むものは英語で書いてもよいが、「ツイッター」「ライン」「インスタグラム」など、カタカナで書けるものはカタカナのほうがよい。
冒頭と改行した後は1マス空ける。(このブログはPCの設定上1マス空けていないのですが、ご了承ください)
句読点(。、)は縦書きの場合はマスの右上、横書きの場合はマスの左下に書く。
句読点は行頭には書かない。前行末のマスに文字と入れるか、マス外に書く。
かぎカッコも行頭には書かない。閉じカッコ(」)は前行末のマスに文字と入れるか、マス外に書く。開きカッコ(「)は読点や空白を入れて、行頭に来るように調整する。
閉じカッコと句点(。」)は同じマスに入れてよいが、かぎカッコの終わりの句点(。)は必ずしも入れる必要はない。「こんにちは。」のように短いときは「こんにちは」で構わない。ただし、会話文や強調のかぎカッコは多用せず必要最小限にする。(強調のカッコなどは最初だけでよい)
二重かぎカッコ『』は引用、あるいはかぎカッコ内のセリフなどに使うが、こちらも多用するとうるさく感じるので、必要なところだけにする。
小さい「っゃゅょ」は1マスに1字入れる。これらは行頭にきても構わない。
表記・表現
小論文を書く上で大切なのはきちんとした「書き言葉」で書くということだ。話し言葉を使わないように気をつけよう。
一人称は「私」を使う。×僕、俺、あたし、自分
家族もお父さん、おばあちゃんとは書かず、父、母、祖父、祖母、兄、姉、妹、弟と書く。
×「~してる」「話してる」→「~している」「話している」(い抜き言葉)
×「~れる」「食べれる」「来れる」→「~られる」「食べられる」「来られる」(ら抜き言葉)ら抜き言葉かどうかわからないときは「~することができる」と言い換えよう。例:「食べることができる」「来ることができる」
×「~ってゆう」→「~という」
×「~じゃなく」→「~ではなく」
×「そんな」「こんな」→「そのような」「このような」
×「でも」「けど」「けれど」→「だが」「しかし」
「思う・思います」は断言できないこと以外は極力使わないようにする。自分のことや自分の考えについては言い切っていこう。
接続詞「なので」は使わない。直し方はケースバイケースなので文を読んで判断する。
→前文と繋ぐ。「なので」を削る。代わりに「そのため」「したがって」「よって」
(例)外を見ると雨が降りそうな空模様だった。なので、(私は)折りたたみ傘をバッグに入れた。
→外を見ると雨が降りそうな空模様だったので、(私は)折りたたみ傘をバッグに入れた。
→外を見ると雨が降りそうな空模様だった。そのため、(私は)折りたたみ傘をバッグに入れた。
→外を見ると雨が降りそうな空模様だった。私は(念のため)折りたたみ傘をバッグに入れた。(接続詞を使わないパターン)
「なので」の代わりに「だから」は間違いではないが、拙く見えるので使わないほうがよい。
△外を見ると雨が降りそうな空模様だった。だから(私は)折りたたみ傘をバッグに入れた。
だから同様、逆接の「けれども」も正しい接続詞だが、使わないほうがよい。
記号、敬語、体言止め、倒置法は使わない。文学的な表現ではなく、シンプルに書く。
先生からいただいた言葉。→先生から言葉をもらった。
私たちは約束した。いつかまた会おうと。→私たちは再会を約束した。
小論文では小説のように会話で文を繋いでいかないようにする。会話文は印象に残る言葉など、特に必要なとき以外は使わないほうがよい。
「おはよう!!」「うん……おはよう」
彼女の弾けんばかりの笑顔でするあいさつに、私は重い瞼をこすりながら返す。これが朝の日課だ。
→私の朝の日課は、彼女とあいさつを交わすことだ。
文字は丁寧に読みやすく書く。達筆でも雑で読みづらいと印象はよくない。反対に字が上手でなくても、丁寧に書かれていると好感を持つ。消し跡が残っているのも印象が悪いので、文字は丁寧に消そう。
特に間違いが多い表現・漢字
×完壁→○完璧(下は玉)
×価値感→○価値観
×必要不可決→○必要不可欠
×看護士→○看護師
×看者→○患者
×~しずらい→○~しづらい(しにくい)
×少しづつ→○少しずつ
×~に関わらず→○~にかかわ(拘)らず(ひらがなで)